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Natural Products Expo West 2025 レポート:日本企業の海外進出への新たな視点

執筆者の写真: Steve MoribeSteve Moribe



2025年3月、米国アナハイムで開催されたNatural Products Expo Westに参加しました。この展示会は、自然・オーガニック・健康的なライフスタイル業界における北米最大級の見本市であり、世界中から多くの企業や専門家が集結します。今回、私は米国を拠点とするコンサルタントとして、日本企業の海外進出支援という立場から、この展示会を視察しました。


日本企業の現状と課題:品質至上主義からの脱却

会場では、日本企業によるお茶、菓子、調味料などの出店が目立ちました。しかしながら、その多くは伝統的な製法や品質の高さを前面に押し出した製品であり、現状維持に終始している印象を受けました。一方、中国や台湾の企業は、アメリカ市場を意識したローカライズ戦略に力を入れており、パッケージデザインやフレーバーなど、現地の嗜好に合わせた製品を積極的に展開していました。


日本製品の品質の高さは疑う余地もありません。しかし、海外市場においては、必ずしも品質の高さが売上に直結するとは限りません。特に、健康食品や自然食品の分野では、消費者のニーズやトレンドを的確に捉え、ローカライズされた製品を提供することが重要です。私自身は日本人として日本の製品に魅力を感じますが、海外の消費者は、より身近で親しみやすい中国や台湾の製品を選ぶ可能性も十分に考えられます。


韓国企業の戦略:一体感が生み出す力

Natural Products Expo Westでは、韓国企業が「韓国コーナー」を設け、一体感のある展示を行っていました。数多くの出展者の中で、個々の企業が孤立するのではなく、国としてまとまってアピールすることで、来場者の注目を集め、活気ある雰囲気を醸し出していました。これは、中小企業が海外市場に参入する上で、非常に効果的な戦略であると感じました。


世界のトレンド:革新的なアイデアと多様性

会場全体を見渡すと、ドリンク、サプリメント、代替ミートなど、多種多様な製品が出展されていました。特に興味深かったのは、椎茸をポテトチップスのようにカリカリに加工した製品です。これは、日本の食材を斬新なアイデアでアレンジし、海外の消費者に受け入れやすくした好例と言えるでしょう。









Natural Products Expo Westは、世界の最新トレンドを肌で感じることができる貴重な機会です。日本企業は、この展示会を通じて、海外市場のニーズやトレンドを把握し、自社の製品開発やマーケティング戦略に活かしていくべきです。


日本企業への提言:海外進出成功への道

今回のNatural Products Expo Westへの参加を通じて、日本企業が海外市場で成功を収めるためには、以下の点が重要であると改めて認識しました。


市場調査の徹底: ターゲット市場の消費者ニーズや競合状況を詳細に分析し、自社の製品がどのような価値を提供できるのか明確にする必要があります。


ローカライズ戦略の推進: 現地の嗜好や文化に合わせた製品開発、パッケージデザイン、マーケティング戦略を積極的に展開する必要があります。


ブランディング戦略の強化: 日本製品の強みである品質の高さに加え、ストーリー性やブランドイメージを訴求することで、競合他社との差別化を図る必要があります。


連携による一体感の創出: 韓国企業のように、日本企業が連携して「ジャパンコーナー」を設けるなど、一体感のある展示を行うことで、海外市場での存在感を高めることができます。


革新的なアイデアの追求: 既存の製品にとらわれず、日本の食材や技術を活かした斬新なアイデアを追求し、海外の消費者に驚きと感動を与える製品を開発する必要があります。



最後に

Natural Products Expo Westは、日本企業が海外市場に挑戦するための貴重な機会です。今回の参加を通じて得られた知見を活かし、日本企業の海外進出を支援することで、日本の経済成長に貢献していきたいと考えています。

 
 
 

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